安心安全のために トレーサビリティ
米トレーサビリティ法の対応の要望書
全国菓子卸商業組合連合会
理事長 関口快流
拝啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。また、平素は菓子卸業界に対しまして特段のご指導をいただき、御礼申し上げます。
さて、米トレーサビリティ法(米トレサ法)が21年4月に公布され、政令に定められて10月1日より施行となります。米トレサ法では、対象品目となる米・米加工品に生産業者は、取引において取り交わされる伝票類・帳簿に、品名、産地(産地記録の義務化のみ平成23年7月から施行)、数量、年月日、取引先名、搬入搬出先を記載して、それを記録・保存する義務が課せられており、それは中小零細菓子卸事業者にまで網を掛けて記録の作成、保存、産地情報の伝達を義務化するという、多大な労カと経済的負担を強いるコストの掛かる深刻な中身となっており、米菓流通を不売化する内容でした。
そこで、全国菓子卸商業組合連合会より、米トレサ法の運用にあたり、
①菓子卸業者は、製造業者からの完成品に何ら手を加えず、そのまま流通に乗せているだけであり、当該製品に対し、追加加工・表示変更することはあり得ない、
②菓子卸業者が製品の産地情報を記録・保存することの有効性は無いと思えることから、「あられ・せんべい」といった最終製品については、製品の包装容器上に産地情報が記載されていれば、一般消費者に情報が伝達されることになり、本来のトレーサビリティの目的は十分果たされると考える、
③これらを実行するとなっても菓子卸売業者としては単に情報を整理するだけとなり、その整理だけのために、情報システム面及び運用面・コスト面で負荷が相当額増大するなど多くの課題・問題の発生が想定され、米菓流通がし辛くなる、などの他事情を説明した結果、平成23年7月から施行される産地の記録保存・伝達の義務化に対しては、製品の包装容器上に主原料の産地・産国表示(QRコード等除く)があれば、菓子卸業者においては、産地情報を記録保存し小売業者に伝達する義務から解かれて、従来通りの伝票・帳票類の管理で承認されております。
しかし、米穀類を主原料とする菓子製品の包装容器上に、産地・産国表示が無い生産業者があれば、菓子卸業者はこの生産業者の製品を扱う場合のみ、伝票類・帳簿に、品名、産地、数量、年月日、取引先名、搬入搬出先を記載して記録保存し、伝票類を通じて小売業者に伝達する義務が発生し、この業務に対する設備投資に莫大な費用が掛かります。これは、生産業者にとっても同様な費用が掛かり、両方に負担となります。
したがいまして、消費者が購入する際に産地を知ることが出来る姿が望ましいとする米トレサ法の主旨に則り、製品の包装容器上に産地情報を記載すれば、菓子卸業者に負担が掛からないで製品を消費者へ安心してお届けできて、生産業者にも負担が軽減されます。 つきましては、菓子メーカー様各位は平成23年7月からの産地情報の伝達の準備に際し、米穀類を主原料とする菓子製品の原材料表示には、米トレサ法の主旨に則り、包装容器上に産地情報を記載するようご協力をお願い申し上げます。
敬具