京都は菓子の発祥の地であり、そのふるさとである。 一千年の王朝時代の伝統から生まれた京菓子は、その名声を全国に謳われ、また明治以後新しくつくられはじめた洋菓子はじめ他の菓子類も、その環境にまもられて、すばらしい発展をしめしている。 京都館はその意味で全国菓子の粋であり、そこに陳列されたものは、洗練され、すでに菓子というよりも芸術作品の名に価するものばかりであるといえよう。
所せまいまでに並べられた飴菓子、豆菓子、米菓子も、ひとつひとつに、長い間たゆまない研鑽をつづけて来た結果生まれた京の風味がある。